カーチャン……

日曜日の出来事だけど、重大な出来事なので日付を分けて書きます。
久しぶりに実家に帰りました。よく分かりませんが、出資者として実印が必要ということだったので……。
「ちょっと、下で話をしようか……」
父に言われて、目の前が真っ暗になりました。ちょっと前、母親に乳ガンの疑いがあるという話があり、検査の結果が金曜日に出るという話を聞いていたので……。もしかしたら、そのことなのかなと。声のトーンから、あんまり明るくない話なのは間違いありませんでした。
母親は、割とさらっと言いました。
「5段階のうち4番目って言われたのよね……」
4番目って……末期?いや、5段階って……?
結局、ガンの疑いの度合いとして5段階のうち4番目、つまり「クロ」に近い検査結果だと言うことだったらしいんですが……。「クロ」だとしてもI期だと言うことでした。
「ガン」という病名は思っていたよりも、はるかに重く心に響きました。なんかもう、目の前にいる人がいなくなってしまうことが確定しまったような錯覚。あぁ、お母さん、死んじゃうんだなぁ……なんて。もしかしたら、“本当の検査結果”はもっと悪いものじゃないのか、なんて考えも頭をよぎりました。
ただ、もしガンじゃなかったとしても、両親と過ごせる時間はそんなに長くはありません。とりあえずみんな元気で居るうちは、そんなことは考えが及びませんが……。
あまりに憔悴しきっているように見えたのか、「病気なんて、なるようにしかならないんだから……」と母が私に声を掛けました。
お願いだから、そんなこと言わないで……