「増田四段が生意気だ」説w

先日、AbemaTV将棋チャンネルで、羽生棋聖vs三浦九段のA級順位戦が放送された。
この放送で解説を務めた増田四段と、青嶋五段の言動が話題になっている。
敗勢の三浦九段が投げずにしばらく指し続けたことに対し、「もう投げてもおかしくない」という雰囲気を漂わせ、感想戦の話題になった際に「感想戦て要ります?」「住んでる場所が遠いんで(感想戦をせずにさっさと帰りたい)」と言った増田四段が「生意気だ」という論調が某掲示板に上がっていました。私も、加藤一二三九段戦の話になったとき、「向こうは感想戦やりたい雰囲気出してたんですけど、ボクは帰りたかったんで。負けたし」という言い方はちょっと気になりました。「向こう」って、普通は言いませんよね。普通は「加藤先生」「加藤九段」です。

これに関しては増田四段だけですが、羽生棋聖の終盤の「5一金」は、増田四段・青嶋五段とも指した瞬間に少し小馬鹿にするような空気が流れました。

「矢倉は終わりました」「詰将棋不要説」など尖った発言で注目を集める増田四段ですが、順位戦に対するフラストレーションがあるのかな、とちょっと思ってみたり。

増田四段も参加した「魂の七番勝負」は、6戦まで終わって若手側の全勝。増田四段も第6戦で三浦九段を破りました。

第一戦 佐々木大地四段(22歳・C2・1期目)○ vs 屋敷伸之九段(45歳・A)●
第二戦 佐々木勇気六段(22歳・C1・7期目)○ vs 藤井猛九段(46歳・B2)●
第三戦 藤井聡太四段(15歳・C2・1期目)○ vs 行方尚史八段(43歳・A)●
第四戦 青嶋未来五段(22歳・C1・3期目)○ vs 郷田真隆九段(46歳・B1)●
第五戦 八代弥六段(23歳・C2・6期目)○ vs 森内俊之九段(46歳・F)●
第六戦 増田康宏四段(19歳・C2・3期目)○ vs 三浦弘行九段(43歳・A)●
第七戦 近藤誠也五段(20歳・C1・2期目) vs 木村一基九段(44歳・B1)

若手側は全員C級1組以下で、B級2組以上の経験はない。

八代六段は順位戦を5期戦い、6-4(18位)、5-5(21位)、6-4(17位)、8-2(4位)、7-3(6位)で
C級1組に上がれていない。一昨年は惜しくも4位で、前年順位差で頭ハネを食らった形だ。(同じ8-2で昇級したのは永瀬六段)
今年は3-3で6戦全勝が3人いる状況なので、昇級は厳しそう。

佐々木勇気六段は3期目に8-2(3位)でC級2組を脱出。その後のC級1組では5-5、8-2(5位)、6-4(8位)でB級2組には上がれていない。
今期は5-1で4番手。昇級の目はある。

青嶋五段はC級2組を1期抜け。C級1組では8-2(6位)。今期3-3で、6戦全勝が1人、1敗勢が6人いる状況では昇級ラインは2敗がせいぜいで、
昇級の目は薄そう。

近藤誠也五段もC級2組を1期抜け。今期C級1組では5勝1敗で暫定7位。残り4戦負けなしなら昇級の目はありそう。

3期目でC級2組の増田四段は、ここまで8-2(5位)、7-3(6位)と好成績も昇級できず。今期は6戦全勝で現在首位であり、
残り4戦、1敗しても1位で昇級できる状況にある。

今期から順位戦に参加した藤井四段も6戦全勝で暫定2位、佐々木大地四段は5勝1敗で昇級争いの真っただ中だ。

若手側はタイトル戦の挑戦歴はないものの、八代弥六段は棋戦優勝(朝日杯)、佐々木勇気六段と増田康宏四段は若手棋戦の優勝経験がある。

一方でレジェンド側はタイトル保持者が5人、挑戦経験者が2人で、全員順位戦ではA級の経験がある。
ここまでの6戦で現役のA級棋士3人がC級2組の若手に全敗していることもあり、若手の順位戦在籍クラスが下なのは、
50人中3人しか上がれない順位戦のシステムそのものに阻害されているだけ、とも言える状況だ。

炎の七番勝負では、藤井四段もA級棋士を相手に3連勝(佐藤康光、深浦、羽生)しており、
「なんだ、A級棋士ってC級2組在籍の棋士より強いっていう訳でもないんだな」
と思われても仕方ない状況が続いている印象がある。

C級2組は約40人に対し昇級枠2+α(次点)の三段リーグに近い、約50人に対し昇級枠3の激戦であり、10戦全勝に近い成績を残せないとなかなか昇級できない厳しいものです。
まぁ、竜王戦6組も最大64人に対し昇級枠4なので、どこも似たようなものですが……

今回の魂の七番勝負のような企画が開催されることによって、「A級棋士・元A級棋士なんぼのもんじゃい」という空気がより色濃くなってきたような感じは、ありますよね。

個人的には木村九段に、若手側に一矢報いて欲しい、と思っているのですが。