電王戦FINALについて

id:cherry26:20140822
上記、電王戦について、という自分のエントリで、第3回電王戦について書いていて、2015/05/01に読み返しました。

そして、今は電王戦FINALが終わった後です。
結果として、プロ棋士が3勝2敗で将棋ソフトを下しました。
前回終了時に、こんな結末になるとは、正直思っていませんでした。
斉藤慎太郎五段が勝ち、永瀬拓矢六段が勝ち、
稲葉陽七段が負け、村山慈明七段が負け、阿久津主税八段が勝ち。

こうやって淡々と勝敗だけ書くと、ふうん、という感じでしたが、今年はずいぶんと色々な事件が起こりました。
永瀬拓矢六段は、穴をついて優勢にした後で、「角不成」でバグらせての勝利。
プログラムを作った側からすると、なるほど、確かに香車・桂馬・銀将のように成ると動きにマイナスがあるものと違い、歩兵・角将・竜王は動きにプラスがあるだけなので、普通は不成という選択肢はないから、前提として外しちゃってるのかー、と分かる面もあるんですが。
また、阿久津八段は、「こう打つとコンピュータって2八角って打っちゃうよねハハハ」作戦を使っての勝利。
色々議論を呼んだこの勝負ですが、個人的には阿久津八段は何も悪くない。AWAKEも悪くない。ひたすら、AWAKEの作者がダメだった。
阿久津八段は何か言われるかもしれない、というリスクを覚悟の上で、そこも含めて勝つために何でもやった。AWAKEもコンピュータソフトだから常に全力。なぜか、作者だけがヘソを曲げてしまった。
投了直後のインタビューで、インタビュアーから顔を背けて答えるという失礼千万な態度。
何が気に入らなかったか。想像するに2つのどちらかなんだと思うが。
(1)プロなのに、2七銀などというソフトをハメるため「だけ」の手を指され、AWAKEがそれに乗って2八角を打ってしまったことに対する怒り。投了は、阿久津八段を責めるためだけに、晒し者にするためだけに行われたことになる。作者の巨瀬さんは、奨励会に所属していた時代があり(1級、20歳で退会)、将棋に対する美学のようなものがあったのかもしれない。ただ、実際にはプロ棋士になった訳ではなく、プロ棋士に対する憧憬のようなものがあり、阿久津八段の行為がそれに悖るものだと映ったとしても、それと同等かさらに上回る非礼をして良いというものではない。実際、ハメ手を排除して正面衝突した場合、おおよそ阿久津八段が不利であることを感じている人は多いと思う。実際、角得という場面になったから勝てる、とも思っていなかったと答えていた。100m走で隣のランナーの足を引っ掛けて転ばしたとして、猛然と追い込んで逆転するかもしれない。投了の場面を見るまでは、個人的にはそう思っていた。だからこそ、まだ見ていたかった。
(2)はもっと子供っぽく、そういう手によって大きな差がついてしまったことに苛立って、盤をひっくり返すような気持ちで投了を宣言してしまった、という負けず嫌いが出たことによるもの。こちらはもっと救いようがない。棋界から永久追放でも良い。これに比べたら、やねうらお氏などまったく比較にならない。(そういえば、今年も特に変わりなく、普通に出場してましたね)

本来なら電王戦FINAL第5局の後に、今後の展開について記者会見が行われるはずだったものが、間違いなくAWAKEの作者のお陰で延期になってしまった。終わったことをこれ以上言っても仕方がないので、続報を待ちたいと思う。