河本さんの件

次長課長河本準一氏が、結局釈明の会見を開いた。
「不正受給ではないが、道義的な責任を感じているので5年分返還したい」
という、良く分からない感じの対応で決着させようとしているらしい。

事の始まりは実際に困窮している状態だったようなので、最初から騙し取ろうとしていたのではないらしい。
結局は河本氏が売れっ子になって母親を扶養できるようになったのに、「黙ってればもらえるようだから、貰えるうちは貰っとけ」というのがマズいという話であり、有名人であるが故にボコボコにされた、ということのようです。

今日のサンデージャポン杉村太蔵が言っていたが、「受給者の不正受給も問題かもしれないが、行政側の不正支給も問うべき」、というのももっともな話だ。
性善説的な「そんなことはしないはず」という考えを拠り所にロクにチェックもしない、というのはいい加減にやめないといけない。

ちょっと前に、すでに亡くなっている老人の年金を遺族が死亡した旨を告げずに不正に受給し続けるという問題が話題になったがこれにしたって遺族の生活が困窮していれば、もしくはしていなくても、不正に受給するナラズ者が出てくるのは当然と考えなければいけない。

生活保護は、人が生活をしていく上で不運な事故に見舞われたり、病気で生計を立てることが難しくなった場合を考えると、絶対になくてはいけない制度だと思う。それ故に、おいそれと騙して受け取れるような制度ではダメだし、不景気で受給者が増えるなら景気を良くする施策や、制度を支える労働者の増加を促す施策をするのが政治家の仕事だろう。

今日も片山さつきがテレビで河本準一氏の母親に関する著作が何万部売れたとか声高に言っていたが、そんな個別案件について金切声をあげる暇があったら、制度全体、国のあり方全体についてもっとやるべきことが色々あるのではなかろうか。

片山グッジョブ、などと言ってる場合ではないのである。