Chapter.3 ご対面

 12時半過ぎに店に戻った。2度目ということもあり、今度はソープランドに入るボクらって他人の目にどう映るんだろう、と思ったんだけど、人の流れの終端の方に位置する感じで、行き交う人もあまりいない。
 待合室には、他に誰もいなかった。ボーイさんが飲み物の注文を聞いてきたのでコーラをオーダー。紙コップに入ったものがやってきた。ボーイさんは土田晃之似だった。「あと2、3分でお一方御案内できます」という報告が。ここで、Nさんに「どっちが先に行く?」と聞かれる。どっちが先行くも何も、先に行くと誰で後で行くと誰かとかそういう情報もないし……ただ、後に残されるよりは先に言ってる方が気楽でいいかな、とか考えたことは考えたんですが。ジャンケンで勝った方が先ということに。勝って先に行くことになりました。
「番号札10番の方……」
 うわ、キターッ! いや、まぁ来るんですけど。2、3分後になれば。待合室を出る。右前方に女の人の影を確認するも顔とか見れないし。
「よろしく〜っ」
「は、はぁ。宜しくお願いします……」
「トイレとか大丈夫ですか?」
 それはさっきボーイさんにも聞かれました。案内されて、個室へ。見回すと、なんかボロっちぃというか。安いところだもんね。バリアフリーな雰囲気の浴槽、洗い場(壁にマットが立てかけてある)、ベッドというか、腰の高さくらいの四角い台、クローゼット。この時点で、まだ嬢をまだ正視してはいなかった。ただ、左腕にワンポイントのタトゥーがあった。